コーチ石川の感動日記

11.大ボラを吹いてみる

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札幌もようやく桜の季節:『北海道神宮の桜』

 クライアントのTさんとのコーチングの中で、今年に入ってから、「内部スタッフを入れたいと思っているのだけれど、なかなかいい人が見つからない」という話題がときどきあがっていました。いろいろ募集を試みたり、面接を繰り返したりと、たしかに動いていらっしゃるようですが、結果が得られないことに、Tさんも社長として焦りを感じていらっしゃるようでした。

 そんな時期、、、ちょうど1ヶ月半前のことでした。Tさんから、こんなメールが届いたんです。

 『ところで、弊社にもやっと、内部スタッフが決まりました。とても明るくて、意欲的で、パソコンも抜群で経理はもちろん、営業センスも抜群、企画力もあり気配りができる秘書的能力も高いすばらしい女性です』

 “おぉ!やったね!Tさん。すごいです。すごいです。おめでとうございます。がんばった甲斐がありましたね。パーフェクトな成果ですね!” 早速、Tさんに返事を書こうと思いましたら・・・、このメールには続きがありました。

 『と、言いたいところですが・・・今日はエイプリルフールです。実際はまだなんです。悲しいです』

 へ?!・・・そう、メールの日付は4月1日。・・・“Tさん! おもしろい!! すっかりだまされましたよ。今年のエイプリルフール大賞はあなた!” Tさんには申しわけないのですが、私は、そのあまりに見事な嘘のつきっぷりにすっかり感動してしまい、パソコンの前で拍手をしながら大笑いさせていただきました。

 でも、本当におもしろいのはここからなんです。それから2週間ほどして、Tさんの会社に本当にスタッフの人が入ってきたのです。しかも、メールに書いた通りの人だというので、Tさんもびっくりしたとおっしゃっていました。何ヶ月もの間、何十人も面接して、ようやく巡り会えた逸材に、Tさんもほっとされたようです。そして、今週、私も久しぶりにTさんの会社を訪ね、そのスタッフの方とお会いしてきました。4月1日の嘘は、見事に現実となっていました。

 コーチングを受けていて、自分でも実感していることがあります。「こうなったらいいな」ということを「そうなっている」ものとしてイメージしてみる。言葉にしてみる。そうすると、いつの間にか、現実になっている。

 なんだか怪しげな話に聞こえるかもしれませんが、本来、人には自分で「やる」と決めて言葉にしたことを現実化できる力が備わっているのではないかと思うわけです。言葉にしてアウトプットしてみた瞬間に現実化へのスイッチが入るのだと思います。まずは、大ボラを吹いてみる。これはけっこうあなどれない技かもしれません。そして、それを否定したり、バカにしたりしないで、聴いてくれる人がいる。このへんもコーチングの効果のような気がしてならないのです。

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