コーチ石川の感動日記

214.先生、そこも「質問」ですか?

 

さて、こうして、ユニークな教育を行っている

オランダの小学校を視察する中で、

とても新鮮に感じたことがあります。

 

それは、「先生の存在感が薄い!」ということ。

先生が全員の前に立って、ずっとしゃべり続ける

場面がほとんどありません。

ですから、先生がどこにいらっしゃるのか、

探さないとよくわからないのです。

 

【ほとんど自習時間といった雰囲気の教室】

 

初日に訪問した「多重知性論」をとりいれた

学校もそうでしたが、

2日目に行ったダルトン教育の学校、

3日目のスティーブ・ジョブズスクール

(iPadを使った教育)、

4日目のイエナプラン教育の学校も、

基本的に、子どもたちは、自習の形で

勉強を進めていきます。

 

自分がやりたことを選んで、各自で取り組み

ますので、隣に座っている子が自分と同じことに

取り組んでいるとは限りません。

自分の机さえ決まっていない学校もあります。

好きな場所を自分で選んで取り組みます。

 

先生は、各々の様子を巡視したり、時々、

小グループを集めて講義をされたりして

いました。その折々に、先生が、

「質問によるコミュニケーション」

とられていることが印象的でした。

 

 「どんな勉強をしているの?」

 「ここまでで何がわかった?」

 「次はどうしようと思っているの?」

 

質問を投げかけながら、子どもたちの進捗や

習熟度を測っているようにも見えますし、

子どもたちが、自分で考え、学ぶことを

促進しているようにも感じられました。

やりたいことをやって、「あ~、楽しかった!」

だけで終わらせるのではなく、そこから何を

学び、理解したか確認するコミュニケーション

をとっているのです。

 

イエナプラン教育の学校で、皆との学習について

いけない子どもに対して個別指導を行っている

場面も見学させてもらいました。

別室で、1対1の指導を行います。

ここでも、先生は、まず質問から入ります。

 

「じゃあ、今日は何の勉強する?」

「そう!じゃあ、今日の目標は?」

 本人が考え、本人が決定することを促します。

取り組んだ後も質問です。

「やってみてどうだった?」

先生が評価を下さないのです。

 

【先生は終始、コーチとして学習をサポートします】

 

「次は、本を読んでみよう!」という場面で、

女の子が本を広げて音読を始めました。

その様子を、先生は、最初から最後まで

スマートフォンで撮影されていました。

「先生が、後で習熟度を確認されるのかな」

と、私は思いました。

でも、それが目的ではなかったようです。

 

女の子が読み終わると、先ほど撮影した動画を

再生し、女の子自身に見せました。

女の子は、じっと自分が読んでいる映像を

見ていました。再生し終わった後、先生から、

「どうだった?」という質問。

 

なるほど!ここも自分で考えさせるのか~!

私はいたく感動しました。とかく、評価は

先生がするものですが、子ども本人に

ふりかえりをさせ、自分で気づくことを促す。

先生が、良かった悪かったとジャッジをしない。

この徹底したコーチングによる関わり。

その光景に、思わずしびれました。

 

スティーブ・ジョブズスクールを訪れた時、

ちょうど、体育の授業を見学することが

できました。

スティーブ・ジョブズスクールというのは、

2013年から試験的に運用が開始されたまだ

新しい形態の学校で、iPadを使って

文字や計算などの学習も行う方法

とっています。

 

子ども一人に対して1台ずつiPadが

与えられ、各自の進捗に合わせて学習します。

学習計画や進捗もモバイル端末を通して、

学校でも家庭でも把握することができます。

小さな子どもたちが、教室中に散らばって、

iPadをひたすら操作している姿は、

実に近未来的な光景でした。

 

【iPadで文字の学習中】

 

ずっとiPadに向かって学習しているので、

身体を動かすことにも重きが置かれています。

体育館で、バスケットボールのような球技を

している授業に出くわしました。

 

この光景は、日本の体育の授業風景とあまり

違いはありません。私が食いついたのは、

この授業の最後の時間。

子どもたちを集めて、先生が何か話しかけました。

仲本さんに通訳をお願いします。

先生がかけていた言葉は、

「今日は、やってみてどうだった?」

「次はどうすればもっとうまくできると思う?」

なんと!そこも質問ですか?!先生!!

感動しました。

 

【授業の最後に、先生からの質問タイム】

 

やったらやりっぱなしではなく、常に、

やったことをふりかえる時間を、

体育の授業の後ですら、とっているなんて!

これを繰り返していたら、子どもたちは

自分で考える習慣が自然とついていくでしょう。

オランダの先生たちは、常に自然体で

「質問」を使われていました。

 

(まだつづく)

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