コーチ石川の感動日記

32.口を出さない

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すでに秋の気配:ななかまどの実

 先週、東京でコーチング研修を担当していました。「基本コース」の次の「実践コース」という研修で、コーチングの基本を学ばれた方にさらに実践力をつけていただくというものです。

 コーチング研修をやっていると、あらためて実感することがあります。“私がごちゃごちゃレクチャーしなくても、この方たちの中にちゃんと気づきが起きている。勝手に学んでいらっしゃる”。「傾聴のスキル」で皆さんが聴いてくださると、ついついしゃべってしまいます。“あれも言ってあげなきゃ、これもお伝えしないとわかってもらえないかも”と、話したいネタは次から次へとわいてきて止まりません。

 でも、実際に皆さんがどこから一番学んでいらっしゃるのかというと、ロールプレイングの中で自ら体験したり、フィードバックをもらったりすることによって、自ら気づかれる部分なのです。「ごちゃごちゃ言わないで、信じて見守っていればいい」というコーチングの基本をこんなところでも気づかされます。

 今週、コーチングしたクライアントのT社長の言葉は印象的でした。
「会長(T社長の実父)は、今まで、私が『やりたい』と言ったことに対して、『No』と言ったことがありません。反対されたことは一度もありません。まずは、『やってみろ』と言います」

“このままやらせたら必ず失敗する、という時でも口を出されないんですか?” 私は思わず訊きました。

「出しません。むしろ、『失敗してみろ』ぐらいの気持ちでいるようです。その方が、私が成長すると思っているようです」

「私が社長になりたてで悩んでいた頃、会長から携帯メールがきました。自分では打てないので、多分、姉に打たせたんだと思うんですが。『失敗しても、お前が失うものは何もない。どんどん行け!』 これだけです」

 私たちは、とかく「相手のため」と思って、口を出してしまいます。しゃべり過ぎてしまいます。でも、相手の中には、ちゃんと自分で感じ取る力も考える力も学ぶ力もあるのです。本人が自分で学んで、自分で成長するチャンスを、指導する側が奪ってはいけません。

 明日も、参加者の皆さんの力を信じて、研修に臨みたいと思います。
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一応まだラベンダーも・・・

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