コーチ石川の感動日記

40.目の前の人と向き合う

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 “9:00から「講師の自己紹介」して、9:05から「研修のねらい」を伝えて、9:10から・・・” 変なところ完璧主義の私は、毎回研修の前に分刻みのレッスンプランを作成します。が、これまで一度もその通りにできたためしはありません。なぜなら、研修に来るのは、皆「人」だからです。人は一人ひとりみんな違う。この話をしたらこんな反応が返ってくる、なんてことは、そうそう予想通りにいくことではありません。“承認されてみてどうでしたか?”「不快でしたね」 こんなこともよくあります。

 先週、青森での就職支援セミナーは、少人数だったこともあったのでしょう、次から次へとご参加者から質問が出て止まらなくなりました。私が精緻に作成してきたレッスンプランは開講30分で見事に玉砕しました。

「石川さんから見て、採用したいと思う人はどんな人ですか? ベスト3を教えてください」
“おお! なんていい質問をするんだ!”
「石川さんは、会社を辞めて独立されたそうですが、正社員として会社に残った方がよかったと思いますか?会社を辞めてよかったと思いますか?」
“あんた、なかなか鋭い質問するね~”
なんだか私がコーチングされているようでした。レッスンプラン完遂を放棄した私は心地よく質問に答えていました。

 セミナー終了時刻を迎えた時、準備したネタの半分ぐらいしか伝えきれていませんでした。それでも、参加者の皆さんは、「来てよかった」,「私が訊きたかった質問に全部答えてもらえた」とアンケートに書き残し、満足して帰っていかれました。そして、私は、自分が準備してきたネタ以上にもっと今回の参加者にマッチするネタをたくさん伝えることができました。

 これもありかも! 「セミナーの目的って?」・・・“参加者の満足。参加者が求めるものを提供すること” 自分が準備してきたレッスンプランを予定通りにこなすことではないのです。それは自己満足でしかないのです。また私の枠を大きく広げた出会いでした。

 大切なことは、目の前の人と向き合うこと。目の前の人が何を求めているのか、いつも目を凝らすこと、耳を傾けること。最近の私の研修は、「伝える」というより、逆に「引き出してもらっている」という感じです。

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