コーチ石川の感動日記

63.フットワークの軽い先生

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大間崎よりはるか北海道を望む

 今週、道内のある高校で、コーチング講座をやらせていただきました。現役の高校の先生がたに『コーチング』をお伝えできるなんて願ってもないことです。たいへん光栄な機会です。

 そもそも、この学校にうかがうことになったのは、校長先生が、北海道通信に載った記事を目にされたことがきっかけで、すぐに連絡先を調べられ、自らお電話をくださいました。
「わかりました。今、石川先生のご都合をうかがいましたので、すぐに校内で日程調整してご連絡させていただきます」
と、おっしゃったその日の午後には、もうご連絡をいただきました。おまけにJRの時刻まで調べておいてくださいました。

 当日、お目にかかった校長先生は、予想通りたいへん気さくな方でした。
「うちの進路指導の先生を紹介しますね。たいへん難しい立場ですが、本当によくやってくれています。就職内定率は今年も100%でした」
「うちの学校の先生は若い先生が多くて、皆、本当に一生懸命で熱心なんですよ」
「うちの生徒たちは、けっこう素直ですよ」
先生のお話をうかがいながら、私はいささか新鮮な感覚を味わっていました。
“この先生は、自分の学校をディスカウントしない”

 コーチング講座が始まりました。
“先生がたに、今日は、簡単な演習を通して実際に体験していただきたいと思います。ので、まず、二人組を作っていただけますか?・・・ええと、ちょうど二人ずつになれますか?余る方はいらっしゃらないでしょうか?”
後ろの方で一人、ペアがいない先生がいらっしゃいました。「あ、私、そっちへ行きましょう」。余っている方をめざとく見つけて、後ろまで行かれたのは、前の方に座っていらした校長先生でした。

 講座終了後の校長室で。
「あ、たしか、うちの英語の先生は、石川先生と同じ大学の出身だったと思います。たしか、、、二人とも、そうだと思います。もう一度、ちょっと呼びますから、挨拶していってください。せっかくの機会ですから」
私は、道内で初めて同窓の大先輩に二人も出会うことができました。
“校長先生はたしか、この学校にいらしてまだ1年だというのに、先生がたの出身校まで覚えていらっしゃるのですね”

 「石川先生、こんな時間までおひきとめしてしまって・・・。JRの切符、変更しましょう。だいじょうぶですよ。ここでできますから」。いきなり、自ら、最寄り駅に電話をかけてくださいました。

 私は、多分この校長先生のことをずーっと忘れないと思います。トップのフットワークが軽いこと。気配りができること。部下をけなさないこと。デメリットもあるかもしれません。でも、
“もし、私が高校の先生だったら、この校長先生の下で働きたい”
そんな想いを胸に、私はこの学校を後にしました。

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