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コーチ石川の感動日記

36.「成果」の前には

カテゴリー:日時:2004年09月25日(土)

 金曜日の夜、札幌は大雨でした。南3条西2丁目あたりで、タクシーに乗り込んだ瞬間に、運転手さんが、

 「日ハム、ちょうど今、勝ちましたよ! 最後は横山が抑えました!」
 “そうですかぁ!! 私も気になってたんですよ。勝ちましたか! ほんっとによかった!”
 「これで3位ですね。プレーオフ、進出ですね!」
 “そうですね~。いやぁ~、ほんっとにここまでよく来ましたよね。よくやったと思います”
 「お客さん、そうとう入れ込んでらっしゃる口ぶりですねぇ」
 “ええ、そりゃぁ、もう・・・、道民ですから!”
 
  
 ラジオから、日ハムが7-4でオリックスに勝ったということを興奮気味に伝える声が響いていました。車中、運転手さんと私は、ずーっとファイターズの話で盛り上がりました。勝利が決まった瞬間に、こんなふうに喜びを分かち合ってくれる人に出会えるとは、それだけファイターズが地域に根付いているということでしょうか。つかの間の出会いとはいえ、この運転手さんに出会えた幸運を思いました。


 
 実は、今週、私は毎晩プロ野球の夢を見るほど、プレーオフ進出のかかった試合のことが気にかかっていました。(注:仕事も真面目にしていました) 私のようなにわか野球ファンでもこのありさまですから、実際に試合に臨む選手のプレッシャーはいかばかりかとあらためて思いました。札幌ドーム開幕戦の先発投手、金村投手は「開幕戦より緊張した」と語っていました。例年この時期はたいがい消化試合です。今年は一戦一戦が常に真剣勝負でした。“もうこれを落としたら後がない” そんな気迫で、最後まで野球ができることはとても幸せなことかもしれませんが、その重圧は非常に大きかったと想像します。

 地元のテレビを観ていると、まるで、優勝したかのような盛り上がりですが、まだ優勝したわけではないんです。リーグ3位で、しかもストの代替試合が行われるかどうかが決定していないので、「暫定3位」などというまどろっこしい枕詞付きの3位です。それでも、地域に受け入れてもらおうと必死で努力してこられたファイターズの皆さんのこれまでの姿を思い返すと、“移転元年でよくぞここまで・・・”と身内の気分で感涙に浸る私でした。

 
 『成果』の前には、たくさんの足踏みや失敗やプレッシャーや無力感や挫折感や葛藤があります。あるからこそ『成果』が輝くのでしょう。『成果』に価値が生まれるのでしょう。「3位決定」、「札幌ドーム43,000人動員」の前には、私が知っていること以上にさまざまな試行錯誤があったことと思います。

 白井一幸ヘッドコーチは、おっしゃいました。「我々は常勝チームを作ろうとしているんです。すぐに結果が出そうなことだけやっていては、本当に強いチームは作れない」。昨年リーグ5位のチームを今年プレーオフ進出チームにまで躍進させたファイターズのコーチングは、私にまた前進する力を与えてくれます。

35.今日のヒーロー

カテゴリー:日時:2004年09月20日(月)


ファンでいっぱい:3塁側

今日の私は、むちゃくちゃ感動しています。興奮冷めず、眠れないかもしれません。今日の日ハムvsダイエー戦は、とにかくとにかく感動的な試合でした。今まで観た中で一番感動的でした。


 何がそんなに感動したかって言うと、首位ダイエー相手に6点差をつけられても逆転し、また逆転されて3点差になっても、9回裏で同点に追いつき、最後の最後は絵に描いたような新庄選手のサヨナラ満塁ホームランで劇的勝利! 夏の甲子園決勝戦の再現かと思いました。


 選手もスゴイけど、ファンもスゴイ! 札幌ドーム日ハム戦入場者数新記録の42,000人みんながファイターズのファンじゃないかと思えました。9回裏で同点に追いついた瞬間は、ドーム内全員総立ちでした。これほどスゴイ応援があるでしょうか。新庄選手の打球をスタンドに運んだのは、まさにこのファンの声援だったように思います。


 お立ち台での新庄選手の第一声は、「今日のヒーローは、みんなです!」。おぉ、なんてすばらしい! ファンの声援に感謝する気持ちを表すのに、これほどシンプルで気の利いた言葉があるでしょうか! さすが、新庄選手です。またまた大歓声。
 

 選手と北海道のファンが広いドーム内でコミュニケーションをとっている、と感じた場面が今日は何度もありました。1回裏で2ランを打った小笠原選手が2回表に守備位置につく時、場内に“小笠原コール”が起こりました。それに対して、小笠原選手は帽子をとって頭を下げました。また大歓声が起こりました。じわ~っと感動! こんなファンの呼びかけに応えるかのようにたくさんのホームラン、ヒットが飛んだ試合でした。


 思えば、ファイターズが北海道に来ることが決まった頃に、私は一足先に北海道に引越して来ました。北海道でファイターズというチームに出会えたこと、北海道でコーチングを通して多くの貴重な出会いに恵まれたこと、ファイターズも私も(?)こうして道民の皆さんに受け入れてもらえていること、すべてが感慨深く、感動的に思えた1日でした。


 プレーオフ、絶対進出! 明日も応援に行きます!

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【後日補記】 最後の新庄選手の一発は、ホームランながらも、途中でランナーを追い越したため、単打にカウントされたとのことです。らしい、というか、何というか・・・。どっちにしても、勝ったから、まぁいいか。

34.この命、何に?

カテゴリー:日時:2004年09月14日(火)

 先週末、岩本悠くんの講演会に行ってきました。「岩本悠くん」というのは、若干24歳の青年で、以前からの知り合いでもないのですが、皆さんが「悠くん」と呼ぶので、私も「悠くん」と呼んでしまいます。


 この人は、かなりスゴイです。やることがぶっ飛んでいます。大学在学中に、アジア・アフリカ20カ国を渡り歩いて、開発援助活動に取り組み、その経験を本にして出版されています。インドでは死体を焼くお手伝いをしたそうです。マザーテレサの「死を待つ人の家」で死に逝く人のマッサージをしたそうです。アフガニスタン大使館にアポなしで出かけ、アフガニスタンに学校を作る話をとりつけてくるような人です。逮捕されたり、路上生活を送ったりしたこともあるらしい(?)。


 噂に聞いていた「スゴイ人 悠くん」は、実際に会ってみると、とても気さくで始終ニコニコしている青年です。とても自然体です。気負いがありません。この人には、「こんなことしていいんだろうか」とか「そんなことできるわけない」とかいうひっかかりが全くないようです。「やる」と決めたことを、ただ、しっかり「やっている」人です。


 私たちは、すぐ、「常識で考えたら・・・」とか「普通は・・・」などという言葉を使って行動を止めます。悠くんのお話を聴いていると、「私たちの言う常識っていったい何よ?」、「私たちは何をもって普通と言ってんのよ?」という気持ちになってきます。


 「命って何だ? 自分の生きている時間。じゃぁ、この時間を何に使うのか? 何のためにこの命を使うのか? 生まれてきたから生きる、のではなくて、持っているこの命を何に使うのか?」 悠くんが体験によって得たこの言葉は胸を打ちます。
「命を使う」 まさに「使命」ですね。


 悠くんの著書『流学日記』の中で、私が特に好きな言葉です。


 「挑戦しないやつは失敗しない
  そして
  失敗しないやつは成功しない」

 今、この瞬間も、消えていく自分の時間、命があります。うだうだ、ごちゃごちゃと「できない理由」を言っている暇は私たちにはなさそうです。

33.同じ話を300回

カテゴリー:日時:2004年09月05日(日)


秋の空と気の早い紅葉


連日、コーチングの話をします。同じカリキュラムのコーチング研修を何回も何回も何回も何回もやります。聴く相手は毎回違いますので、皆さん、新鮮に受けとめて下さいますが、私にとっては以前したことのある話です。「コーチング」を語ることは私にとって、楽しく大好きなことです。だから、とても幸せな毎日です。新ネタの仕込みにも努めています。でも、どこかで、“また、この話かい・・・”と、マンネリ感や抵抗感を覚える瞬間があります。


 同業者のTさんから、最近、こんなメールをもらいました。Tさんは、研修講師というお仕事が実はあまり好きではないようです。1対大勢の関わりより、1対1のやりとりの方がお好きだそうです。同じ研修を続けて担当するというお仕事は特に苦手なようで、10回連続という依頼がくると気が重くなるようでした。


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『昨日、ふと思ったことがあります。歌手を見習わなければと。歌手の方は、同じ歌を何百回も何千回も歌いますよね。聞く人が変わったり、同じ人が何度も聞いたり、でも毎回真剣に新鮮に歌わなければならない。歌うたびに味わいが出てきたり歌い方が多少変わったりするのでしょうが、私の回数の比ではありませんね。
 歌手の方に比べたらまだまだ甘いと思いました。プロとはそういうものかなと。私は早く終わろうとしていた。彼らは何回でもいい歌を聴いてもらおうとしている。とても大きな差ですよね。10回程度で、飽きるなどと言っていた私はプロとしては失格、恥ずかしい気持ちです。(昨日、何気なくつけたテレビでやっていた歌謡番組を見てそう感じました。)
 前に石川さんの元上司の方が300回同じ話をしなさい。というようなことを言っていたとおっしゃっていましたよね。今、分かったような気がします。プロになれ!
ということだったのではないでしょうか。
 もちろん、私は研修のプロになりたいという気持ちはないので、終わることばかり考えてましたが、受講者や主催者から見たら、お金を払っているのだから、私はプロなんですよね。ますます、自分の甘さに気づかされた昨日でした』


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 金曜日に、ナイター観戦していて思いました。“この人たちは、毎日毎日毎日毎日、野球をしているんだな。でも、毎回、こんなに人を興奮させて、こんなに感動を与えられるなんてすごいな。プロだな”


 「いつでも感動を与えられるプロ」を目指して、今週もしゃべりまくります!


 Tさん、いつも、気づき多いメールをありがとうございます。

32.口を出さない

カテゴリー:日時:2004年09月02日(木)


すでに秋の気配:ななかまどの実


 先週、東京でコーチング研修を担当していました。「基本コース」の次の「実践コース」という研修で、コーチングの基本を学ばれた方にさらに実践力をつけていただくというものです。


 コーチング研修をやっていると、あらためて実感することがあります。“私がごちゃごちゃレクチャーしなくても、この方たちの中にちゃんと気づきが起きている。勝手に学んでいらっしゃる”。「傾聴のスキル」で皆さんが聴いてくださると、ついついしゃべってしまいます。“あれも言ってあげなきゃ、これもお伝えしないとわかってもらえないかも”と、話したいネタは次から次へとわいてきて止まりません。


 でも、実際に皆さんがどこから一番学んでいらっしゃるのかというと、ロールプレイングの中で自ら体験したり、フィードバックをもらったりすることによって、自ら気づかれる部分なのです。「ごちゃごちゃ言わないで、信じて見守っていればいい」というコーチングの基本をこんなところでも気づかされます。


 今週、コーチングしたクライアントのT社長の言葉は印象的でした。
「会長(T社長の実父)は、今まで、私が『やりたい』と言ったことに対して、『No』と言ったことがありません。反対されたことは一度もありません。まずは、『やってみろ』と言います」


“このままやらせたら必ず失敗する、という時でも口を出されないんですか?” 私は思わず訊きました。


「出しません。むしろ、『失敗してみろ』ぐらいの気持ちでいるようです。その方が、私が成長すると思っているようです」


「私が社長になりたてで悩んでいた頃、会長から携帯メールがきました。自分では打てないので、多分、姉に打たせたんだと思うんですが。『失敗しても、お前が失うものは何もない。どんどん行け!』 これだけです」


 私たちは、とかく「相手のため」と思って、口を出してしまいます。しゃべり過ぎてしまいます。でも、相手の中には、ちゃんと自分で感じ取る力も考える力も学ぶ力もあるのです。本人が自分で学んで、自分で成長するチャンスを、指導する側が奪ってはいけません。


 明日も、参加者の皆さんの力を信じて、研修に臨みたいと思います。


一応まだラベンダーも・・・

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