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コーチ石川の感動日記

50.1対120のキャッチボール

カテゴリー:日時:2004年12月30日(木)

 今年最後の「しゃべる仕事」は、札幌市内の某大学での集中講義でした。“集中”ですから、朝9:00~夕方16:00まで、1コマ90分の授業を4コマずつ3日間ビッチリやります。この大学はなかなか厳しくて、1コマずつ毎時間「受講カード」なるものを配り、記名、提出させることで、教員側がキッチリ(?)出欠を把握できるシステムになっています。


 初日の1コマ目が終わったところで、100枚近い受講カードが私の手元に戻ってきました。パラパラと見ていくと、何やらメッセージが入ったカードがあります。
『メリークリスマス!』  おお!そうか、今日はクリスマス・イブではありませんか。
2コマ目の冒頭、私は、こんな言葉から授業を再開しました。
“メッセージを書いてくださった方がいました。『メリークリスマス』って書いてあります。そうですよね。今日はクリスマス・イブでしたね。皆さん、こんなところに来てる場合じゃぁないですよね。そんな日によくぞ出席してくださいました。ありがとうございます”


 2コマ目を終えて、また受講カードを集めますと、メッセージ付きのカードが今度は6枚ぐらいに増えていました。サンタクロースのイラストが書いてあるものなどもあります。
『石川さんはNHKの有働アナウンサーに似てますね』
“あ、ありがとうございます。よく言われます”
『失礼ですが、コントをやっているときの青木さやかに似てると言われたことはありませんか?』
“ありません。そうですか。似てますか。初めて言われましたね”
『プロ野球では多くがティーチングです。なのでコーチングをやっているところがあるとは知らなかったです。ちなみに自分は千葉ロッテマリーンズのファンです』
“そうですか、マリーンズも今年はファイターズを追い詰め、よく闘いましたよね”

 
 毎回、授業の冒頭で、メッセージを紹介し、私がコメントをつけるようになりました。すると、メッセージ付きのカードが毎時間ごとにどんどん増えていくのです。そのうち、講義の内容について核心をついた鋭い質問を寄せてくる学生さんも出てきました。質問を読みあげ、それに答えると、その時間の受講カードには、
『丁寧に質問に答えていただき、ありがとうございました』
というメッセージが付いて返ってきます。直接、質問しに来る学生さんも出てきました。最終日の最後の時間に集めたメッセージ付き受講カードは実に60枚を超えていました。


 講義室の中は、1対120のコミュニケーションです。ほぼ一方通行です。私は、どの学生さんがどのメッセージを書いてくれたのかさえ全くわからないままメッセージに回答し始めたのですが、こうしてちゃんとコミュニケーションがとれている感じがしてきます。


『大学生活の中でこんなに興味を持てた授業はありませんでした』
『コーチングのスキルなのか、注意もしないのに、こんなに静かになる講義は初めてです』
『最初は単位のためにとったけど、これからの私の人生を変える3日間でした』
『考え方が変わりました。先生に会えてよかったです』
『私たちのために朝から夕方までずっと変わらない熱意で話をしてくれる大人を見て、何も感じない学生はいないと思う』
『“人間には無限の可能性がある”という言葉を心にとめ、社会に出て行きます』
『この授業のことを忘れず、いつか人の役に立ったり、人を力づけられるような人間になりたいです』


 今、この場で全部を紹介しきれないのが、非常に残念でもどかしい思いです。胸が熱くなるような承認の数々、私は演台で読みあげながら泣きそうになる瞬間がありました。最初はカードを通してのコミュニケーションでしたが、お互いにコミュニケーションのおもしろさを実感した空間でした。すばらしい感性とフィードバック力を持った学生の皆さんと過ごせたこの3日間は、私の何よりのクリスマスプレゼントとなりました。


 投げてくれたボールは、きっちり投げ返す。投げ返せば、必ず返ってきます。

49.区別することは大事

カテゴリー:日時:2004年12月17日(金)

 先日、掲載しました『「反応」ではなく「対応」』について、レスポンスをいただきました。何よりの承認と嬉しく拝見しました。H社長の感性はなかなか鋭い!といつも敬服いたします。今回も、“なるほど!”額をポン!と打って共感しました。ご許可をいただき、掲載します。


 コーチングのスキルの1つでもある「区別する」ということができれば、世の中、けっこうすっきりするような気がしますね~。ところで、紅白、本当に出場されるのかも。。。
 

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【H社長からのメール】
それはさておき、、、
感動日記にありました「反応」と「対応」、とても考えさせられました。
最近、当社の社内コミュニケーションの悪化が気になっていて問題視していたのですが原因がわからず困っていました。
今回の感動日記を読んで原因のひとつがわかったような気がします。部下が言ってくることに対して妙に「マジ」に「反応」していた自分がいたことに気付きました。
他の役員や部門長の中にも見受けられました。いやあ、反省しました。
調度、今週末に役員会がありますので早速、白井ヘッドコーチのお話とともに「反応」と「対応」の話をしようと思います。使わせてもらっていいですよね。


著作権にふれてしまうことをお許し下さいね。
(どこかのアイドルのように私も紅白は辞退しますので)


【石川からの返信】
どうぞどうぞ、お話のネタとしてしゃべっていただく分には何の著作権もありませんので。
紅白も出てください(?)。


【H社長からの返信】
先週、私用許可を頂きました「反応」と「対応」使わせていただきました。
ありがとうございました(予定通り紅白にも出場します)
ある役員は早速、部内のミーティング時に伝達講習?したそうです。
実は私、このような二つの言葉の対比の話が好きで(笑)
今までもいくつか役員会や部門長に話してきたのですが、例えば


「信頼」と「信用」
出来る部下を100%信頼して仕事を任せるのはいい、
ただ彼を100%信用してはいけない。
我も人の子、彼も人の子、上に立つものは自分が信頼する彼が「絶対にミスをしない」とか「悩まずに仕事を進めている」とか信用しきってはいけない。
常に仕事を任せた部下に目配りし、その仕事に気配りするのが我々、上に立つ者の仕事であり、またそれを部下を持つ部門長に教えていかなければ、、、


「説得」と「納得」
あることをやってもらうのに部下を説得をする。部下は多少「嫌だな」と思っても「会社の決めたことだからな」とか「部長が言ってるんだからな」と仕方なくやってくれる。でもこれは部下が納得してとった行動ではないはず。
我々は出来るだけ部下が納得するように「どうしてこうなったか」「どうしてこうしてほしいか」ということを時間がかかっても話をすべき。こうすることの積み重ねによって会社として方向性や考え方のベクトルが合ってくるのでは、、、


なあ~んてね(^^;
その第三弾の「反応」と「対応」もおかげさまで大好評でした。
かつ「うちの社長はこの手の話が好きだな」って思われたことでしょう(笑)


次回は「厳しい」と「きつい」編
部下指導については「厳しい」人はいると思います。
ただ良く観ると特定の人(相性の悪い人?)に対しては接し方や指導が「きつい」人が見受けられます。自分も含めてこんなことって結構ありますよね、反省、反省。

48.もう一人の自分

カテゴリー:日時:2004年12月14日(火)


札幌:たちまち大雪~ “冬ソナ”の世界??


コーチをしていますと、クライアントさんの変化もさることながら、自分自身が一番変化していることに気付かされる瞬間があります。これはけっこうおもしろいです。まず、私が気付いた変化は、“常に、頭上2~3mのところから、もう一人の自分が自分を見ている”という感覚を覚え始めたことでした。


 “あ~、また落ち込んでる、落ち込んでる”、“今、むちゃくちゃムカついてるよね”など。自分で自分の感情を客観的に観察できると、急にその感情から解放され、本来の目的にそった行動が起こせるようです。これで私の人生、ずいぶん変わったと自負しています。


 Sさんは、誰でも知っているような大きな会社の社内コーチとして活躍なさっています。コーチングの勉強にも非常に熱心な方です。また、豊かな感性と鋭い分析力をお持ちのコーチです。超承認上手でもあります。最近、こんなメールをいただきました。名コーチSさんは、私にまた『コーチングの成果』を思い出させて下さいました。Sさん、いつもありがとうございます。


 
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 最近、自分自身に変化が起きているなぁーと自覚することがあり、これもコーチングの効果であろうと思います。
今回はそのご報告をしたいと思いました。


 先日、昼食をとるために、ある天ぷら屋さんに入った時の出来事です。


 席につくとパートと思われる女性店員がお茶を運んできましたのでオーダーしようとしたのですが、その前に「少々お待ちください」と発言を止められました。「店内が混雑しているからやむを得ないか」と思いながらオーダーする機会を窺っていたのですが・・・、すると私のあとに店に入ってきた女性客2名に対して、その店員はしっかりと注文を聞いているではありませんか?そのまましばらく様子を見ていると、次のお客さんも、その次のお客さんも、その次の次のお客さんも店員はしっかりと注文を聞いているんです。この時点で私が入店してから10分は経過したと思います。


 ここで私はある「観察」を始めました。何に対して「観察」したと思いますか・・・?


 それは自分に対してなんです。


 今の自分の気持ちは?・・・「おぅ。しっかりムカついてるな」 脈拍は?・・・「早い!」 呼吸は?・・・これも早い!!」「この分だときっと血圧も上がっているんだろうな」なんてね。自分に意識を向けていると一気にテンションが下がってくるので不思議ですね。冷静になった私は、その店員を呼んで「そろそろ注文してもいいでしょうか?」と注文する許可を求めていました。店員がギョッとした様子で「いいです!」と答えた時の表情が滑稽で、思わず笑ってしまいました。


 以前の私でしたら「どうなってんだよぅ!」と確実に文句の一言は言っているでしょうし、注文するのに10分も待ってはいないと思います。そして、その日一日を不愉快な気分で過ごしたことでしょう。


 ちょっと面白い話だと思いませんか?

47.「反応」ではなく「対応」

カテゴリー:日時:2004年12月04日(土)


さわやかな函館の冬の朝


 クライアントのKさんがこんな話をしてくれました。他部署のリーダーがKさんのところにいちゃもんをつけに(クレームを言いに)来たそうです。その言い方がまたむちゃくちゃ腹立つ言い方だったそうです。人を見下したような感情的なものの言い方! 以前、Kさんの上司もこの人にはキレたことがあるようです。「あんた!いったい何様のつもりだと思ってんの?!」思わず、Kさんの口から言葉が出そうになったのですが、飲みこんだそうです。えらい!! 相手の言い分を聴いて、今後どうすればそんなことが起こらないのかを考えたそうです。


 しかし、帰宅しても、怒りがおさまらないKさんは、ご主人に延々と愚痴ったそうです。それをちゃんと聴いたご主人もホントえらい! 怒りをぶちまけながら、Kさんは、はたと気がつきます。「まてよ、ああいうものの言い方しかできないあの人はきっと宇宙人なんだ。違う星の人にちがいない。あんな人のために自分がこうしていつまでも気分を害しているなんて、私の時間がもったいない。私にはそんな暇はない。もっとやらなくてはならない重要なことがあるのよ」 そう気付いた瞬間に、気分も晴れ、いつもの前向きなKさんに戻ったそうです。


 『コミュニケーション』というキャッチボールの中で、相手からドッジボールが飛んでくると、「ちょっと!何よ、今のそのボール!」、つい、こちらも負けじと、ボールをぶつけに行ってしまいます。相手がそれに反応して、またボールをぶつけてくるともう建設的なコミュニケーションはできません。いわゆる、『売り言葉に買い言葉』っていうやつです。


 “コーチは「反応」しちゃだめです。「対応」してください”


 私もコーチングを学ぶ中で教わってきたことです。組織の中で共に仕事をしている人たち同士がとるコミュニケーションは、『組織としての成果を出すためのコミュニケーション』であってほしいですよね。目指すゴールは同じなのに、ゴールの手前でドッジボールを繰り返していては前に進めません。


 相手からぶつけられたドッジボールに「反応」しなかったKさん、よく「対応」したと思います。そして、建設的でない愚痴を言っている時間がもったいないと自分で気付いたKさん、その気分の切り替え術はまるで『セルフコントロールの達人』。実にお見事でした! 拍手喝采!!

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