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コーチ石川の感動日記

56.相手の抵抗を封じる術

カテゴリー:日時:2005年01月31日(月)


35Fから雪の札幌市内を望む~(日本海方面)


 看護師のTさんのことを、私は常々“コミュニケーションの達人”、あるいは“ネイティヴ・コーチ”と呼んでいます。


 Tさんが緊急の指示をドクターにあおごうと電話をかけました。「今、忙しいから後にしてっ!」。冷たくガチャ切りされてしまうことも珍しいことではないそうです。めげずにもう1回かけます。「だから!今、忙しいのっ!」。またガチャ切りされました。この場面で、皆さんだったらどう感じますか? どうしますか? 「忙しい、忙しいって、あんた、こっちだって忙しいのよっ!緊急なのっ!!」。プチッときてしまうところです。が、Tさんは違うのです。


 Tさんは、切られた電話を脇に置いて、自らカルテを持ってドクターの部屋まで走ります。ニッと笑って、ドクターにカルテを差し出します。「センセ! 忙しそうだから、私、来ちゃいました。ご指示をお願いします!」。こうなると、ドクターも、「しょうがねぇな~」。その場ですぐに指示をくれるのだそうです。ガチャ切り2回の相手に、ニッと笑えるものなのでしょうか? でも、緊急なんだからそれですぐに指示がもらえるのなら、それはそれですごく効果的な方法と言えます。


 急に患者さんの手当てをしなければならなくなったドクター、たいそう機嫌が悪い時があるそうです。「ったく、こんな時になんで俺がやらなくちゃいけないんだよ・・・」。ブツブツ怒りをぶつけながら傷口を縫い始めるドクターに向かって、Tさんがしみじみと一言。「先生、、、うまいもんだねえ~」。これでもう、そのドクターはだまってしまうそうです。Tさんのこうした対応ぶりには天性のセンスを感じます。


 『承認してくれる相手を人は拒絶できない』


 このことを知ってから、私も対人関係が格段に楽なものになりました。「人は怖くない」,「闘う相手は誰もいない」と思えるようになりました。相手を「認める」,「受けとめる」ということは、相手の抵抗を見事に無力にしてしまうようです。これ以上最強の術は他にないような気がします。それを、いつも自然体で実践できるTさんを私は心から尊敬しています。

55.身体ではなく心を動かす

カテゴリー:日時:2005年01月25日(火)

 やっぱり、毎年カルチャーショックです。今年の雪もすごいですね。“いったい、この雪はどこから来てどこへ行くの?” 札幌市内でも遭難しそうです。“もう慣れちゃった”と勘違いしている私の目前で、「北海道をなめたらいかんぜよ!」(←なぜに土佐弁?)とばかりにこの冬も雪は降り積もりました。まいりました~。


 さて、先日、今年初めてファイターズの白井一幸ヘッドコーチとご一緒しました。某自治体様のコーチング講演会でした。オフシーズンの白井ヘッドコーチは、「一昨日も講演、昨日も講演、今日は2回講演、明日はスキー、明後日はまた講演・・・」こんなスケジュールのようです。私が申し上げるのは甚だ僭越ですが、ご一緒するたびに、講演内容、話術ともグレードアップしていらっしゃいます。笑わせるツボも心得ていらっしゃるようです。すばらしいです。コーチとしても講師としても学ばせていただくこと大!です。


 先日のお話の中で、一番、私の心に響いた言葉は、、、
「選手の身体を動かそうとしてもダメです。まず、心を動かさないと。心が動けば、身体が動くんです」


 う~ん、すばらしい! 名言です。これは企業の中でも通用する言葉です。とかく、上司は「あれをしろ、これをしろ、もっとがんばれ、問題意識持て、やる気出せ・・・」等々の言葉を使って、部下を動かそうとします。これで、部下が動けばこんなに簡単なことはありません。これでなぜ部下が動かないのか。「心」が動いていないんですね。


 ヘッドコーチは、毎月、選手全員(二軍も含めて)一人ひとりに宛ててお手紙を書いていらっしゃるそうです。今月の課題、よくなってきている点、励ましの言葉・・・等々。
“え?!・・・一人ひとりに?、ですか?・・・全員?、に? 毎月?”
「そうです」
“一人ひとり、各々違う内容で書かれるんですか?”
「もちろんです」
“全員って、70人ぐらいいらっしゃるんですよね?”
「ええ」
“はァ~、、、、すごい!・・・ですね・・・”
ステージ上で、closed questionのみを繰り返し、思わず絶句した私でした。


「選手はすごく喜んでいるみたいですよ。言葉でほめられるより嬉しいみたいです。毎月書くことで、選手の成長も確認できるし、いつも接点があるので、向こうからも話しかけやすいようです。コミュニケーションはとりやすくなっています」


 恐るべし、ファイターズのヘッドコーチ! これなら、選手の心は動くのでしょう。グランドやベンチの中で、声をかけて身体を動かそうとすることだけがコーチの仕事ではないのです。グランドに出て行く前にすでにコーチングのベースはできあがっているのですね。そして、それはコーチの労を惜しまぬたゆまぬアプローチの賜物。ただただ脱帽、でした。まいりました~。


電話ボックスも遭難しそう・・・

54.コーチ石川の公言

カテゴリー:日時:2005年01月22日(土)

 久しぶりに完徹しました。(前回の徹夜は、ええと、、、“明日からイタリアでバカンスだ!”という前日、必死で未完了の仕事を片付けていました・・・) 年末に集中講義を受けて下さった学生の皆さんのレポートが届きました。100数人分のレポートの束を手にした時は、“うぇ~、こんな忙しい時に、いちいち読んで評価表なんかつけてられへんわ~”と正直思いました。


 が、本日のお仕事をすべて終え、ほっと一息つきながら、“どれどれ、みんな、どんなこと書いてんねやろ・・・”とぺラッと1枚めくったのが、完徹への第一歩。“なるほどね~”、“聴いてへんようでもちゃんと聴いてんねんなあ”、“おお、この話おもろいやん!”、“うわ~、ほんまにええこと書くなぁ、泣かせるねぇ~”(例によって、独り言は関西弁もどき)。深夜、いきなり“ガハハ!”と笑ったり、涙をふいて鼻をかんだりしながら、いっきに読みました。“これに「優」「良」「可」をつけろってか?私にはできひん”


 今、身体の中から沸き起こってくるものすごく熱い不思議な感覚があります。学生の皆さんは一人ひとりみんなすばらしい!いいものを持っています。自分なりの感性で「コーチングとは何か」を受けとめ、自分の言葉で、それを自分の人生にどう活かすか書いてくれました。何も考えていないわけじゃない、世をはかなんでいるわけでも、斜に構えているわけでも、将来に夢を持っていないわけでも、ただ無気力に生きているわけでもないんです。


 非常に多くの学生さんが、授業で最も印象に残ったこととして挙げたのは、質問の仕方でも聴き方のテクニックでもありませんでした。『人間には無限の可能性がある』という言葉でした。「自分にも無限の可能性がある」と思えた瞬間、何か感じるところがあったのでしょう。「可能性ある人」として向き合った時に、相手は必ず何かを感じてくれるのです。もともとそんな感性を持っているのです。


 “こんなスゴイもんを私一人で読んでたらあかん!1枚でも多く世の中の人に紹介せな。この感動を伝えなあかん。それが私の使命!『感動日記』に書こかな。でも、そんなん、チマチマやってられへんわ~”。うだうだ言ってきた私でしたが、今朝ようやく、コーチらしく、立場をとって公言することにしました。


 “この感動を今年は、必ず、本にして出します!!”


 学生の皆さんにコーチングされたのは、どうやら私の方でした。感謝!合掌。


我が家の招き猫“いいお顔でしょ”

53.滑りながら歩く

カテゴリー:日時:2005年01月15日(土)


冬も美しいです。~寒中お見舞い申し上げます~


 青森も豪雪ですが、このところ、札幌も負けじと豪雪でした。車道と歩道の間に積み上げられた雪山は、私の身長を超えているところもあり、新鮮に驚いています。


 「石川さん、もう北海道の冬には慣れましたか?」、「滑って転んでいませんか?」 皆様からよくいただくあたたかいご質問です。“はい、慣れました!”、“今シーズンは元旦に宇都宮で1回転びましたが、札幌ではまだ転んでいません!”。


 2年前の冬には、外出するたび寒さで鼻の奥が痛かった私ですが、最近は、“今日は0度かぁ、あったかいよね~”などと生意気なことを言っています。テカテカに凍りついた道路で足がすくんでいた私も、雪の横断歩道を走って渡れるまでになりました。人間の適応能力というのはたいしたもんです。


 凍った路上で、立ち往生していた私に、札幌在住の先輩が言いました。
「滑りながら歩けばいいのさ」
“は・・・?”
当時は何のことかよくわからなかったのですが、最近はなんとなくわかってきました。滑ってもいいんです。体勢を立て直すことができれば。凍った道なんだから滑ることもあるんです。“滑ったらどうしよう?”とビビッていても前に進めません。恐る恐るチビチビ歩き出すから、余計にうまく歩けないんです。滑るんだから、滑ってもいいんです。転ぶ前にバランスを立て直すコツをつかめば。


 「滑りながら歩く」 この技を、私は札幌に来てから、雪道だけでなく、ありとあらゆる場面で体得したように思います。いいんです、失敗しても。体勢を立て直すことができれば。初めてやることなんだから、失敗もするんです。失敗しながら前進すればいいんです。“失敗したらどうしよう?”と考えていても前には進めません。恐る恐るチビチビ歩き出すから転ぶんです。どうせ滑るなら、堂々と歩いて滑りながら進めばいいんです。体勢を立て直すコツをつかめばだいじょうぶです。怖いことなんて何もないんです。でも、このコツは、何度か滑ってみないとつかめないんです。


 「札幌に来てから、歩き方まで物怖じしないものになったね」と言われました。そうなんでしょうか??? たしかにテカテカの道にもひるまなくなりました。滑りながら歩いています。


 ・・・とはいえ、冬の雪道には、皆様、くれぐれもお気をつけくださいませ~。

52.コミュニケーションは質より量

カテゴリー:日時:2005年01月12日(水)

 高校生対象のセミナーで一番気を使うことは、“私は怖い人じゃないんだよ~”ということを、早い段階でいかにアピールするかということです。『先生』という存在は、概して「怖い人」,「注意する人」と見られているようです。そんな緊張した気持ちでセミナーに参加してもらっても期待する効果は得られません。


 まず、セミナーが始まる前から、生徒さんに片っ端から声をかけまくります。“雪でたいへんだったでしょ。どうやって来たの?”、“朝、何時に起きて来たの?眠いよね”、“かわいいキャラクターだね。何て名前なの?”、“あったかそうな靴だねえ。どこで売ってるの?”、“きれいな字だねえ。書道やってるの?”云々・・・。


 最初は、「へ?!」、「はぁ?」、「別にぃ~」。つれない反応も多いです。「この人、ナニモンだ?」とびびっている生徒さんもいます。が、とにかく、全員と決めて声をかけまくります。休憩時間も、しつこく生徒さんの中に入っていきます。“どんな仕事したいかもう考えてんの?”、“チェックテストやってみて、どうだった?あたってた?”、“模擬面接、緊張した?”、“そうだよね。初めては緊張するよね”。


 “私は君たちの味方だよ~”メッセージを投げて投げて投げまくります。午後になると、ぐっと距離が近づいた感じがします。そのうち、向こうから話しかけてくれるようになります。「石川さんは、どこの出身ですか?」、「面接試験ってどんな感じですか?」、「これ、自分で描いたデザイン・・・」。自分の作品を見せに来る生徒さんまで現れます。


 こうなってくると、どんなに斜に構えていると見えても、やる気がないと見えても、どの生徒さんの中にも、素直な気持ち、前向きな想いを発見することができます。“よっしゃ、見つけた!”この宝さがしは、とても楽しく達成感があります。そして、より多く関わっていくことでしか見出せないものなのです。手を抜くとダメです。宝物を見つけられないどころか、セミナーの意義にも気付いてもらえません。


 コミュニケーションは質より量。このことを侮ってはならないと、毎回、生徒の皆さんから教えられます。表面に現れていないたくさんの宝物を発掘する達成感のために、私は、明日も、しつこくしつこくコミュニケーションをとりまくります。

51.「自分らしく」が一番パワフル

カテゴリー:日時:2005年01月06日(木)


A HAPPY NEW YEAR~♪


 まだPHP研究所の社員だった頃のことです。講師としてデビューしたばかりの駆け出しの時期でした。今でも尊敬する大ベテランの女性講師A先生の研修を聴講しながら、私はため息をついていました。“さすが、A先生。私はとてもあんなふうにはなれない”。隣で一緒に聴講していたある方が、おっしゃいました。「A先生はたしかにすごいです。でも、A先生が二人いてもおもしろくないじゃないですか。いいんです。あなたはあなたの研修をやれば」。私を力づけた一言でした。


 昨年末、心から尊敬する岸英光コーチの「コーチング体験講座」の1回を担当させていただきました。たくさんの方がたにお越しいただき、嬉しかったのですが、本当のところ、かなりの重圧でした。岸コーチの「体験講座」はそれはそれは見事です。私はこれまで4回聴きましたが、何度聴いても気付きあり、感動あり、笑いあり、の名作落語の世界です。私が話すことで、岸コーチの魅力によってコーチングの世界へ一歩踏み出そうとしている方たちの出鼻をくじくことになりはしないか、岸コーチとの力量の差をさらすことになりはしないか、、、と心配は尽きません。偉そうなことを言っていても、いつも最初から立場をとれるわけではありません。


 講座開始直前、顔見知りの参加者のお一人とお話をしていました。
“○○さんは、もうすでに岸講座で勉強をされているので、今日は目新しいことは何もないと思いますが・・・”
「いえ、今日は石川さんの話を聴きに来ましたから」
この瞬間、私の中で何かふっきれるものがありました。


  “岸コーチが二人いてもおもしろくない、むしろ怖い(←超失礼)”,“何を言うかじゃない、誰が言うかが大事”,“やり方よりもあり方”,“怖くてもやれる、感情と行動は別”,“立場をとれば空間が変わる” これまで私を支えてきた言葉が次々と私の背中を押し始めました。あとはもう、思いっきり大好きなコーチングの話をさせていただきました。すっきり爽快!でした。皆さんが真剣に耳を傾けてくださっているのも伝わってきました。やってよかった!と思いました。


 翌日、早速、お電話をくださった方がいました。
「私、昨日、お話を聴いて、ビビ!と来たんです。石川さんのコーチングを受けたいと思ってお電話しました」。
なんてありがたい言葉でしょう。私はもうその言葉だけで何も要らないと感じました。
“私は私でいい。誰の真似をするのでもない、コーチ石川のコーチングを受けたいという人をコーチングできたらいいんだ”


 そういえば、岸コーチから教わっていました。
「あなたらしさを隠そうとするとあなたのパワーが弱まる。その人が一番その人らしい時が一番パワフル、一番魅力的」


今年も私らしく前進します!

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