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コーチ石川の感動日記

86.辛抱が必要

カテゴリー:日時:2005年07月30日(土)


雨の函館:ハリストス正教会は美しかった


 この夏も、高校生の皆さんと過ごしています。我々が忘れてしまっている瑞々しい感性を持っています。教えられること、気づかされること満載の1週間です。


 いつもいつも「いい子」ばかりではありません。やんちゃな子もたくさんいます。話を聴かない、テキストも開かない、落書きする、隣同士しゃべる、ふんぞり返る、イスから落ちそうになる、声をかけてもふてくされる、とにかく落ち着きなく動く、寝る、だるそうにする・・・。「ああいう受講態度の生徒をどうして注意しないの。追い出さないの」と言う人もいるようです。が、我々、講師陣は、他人に迷惑をかけない限り、厳しく注意もしなければ、決して追い出したりもしません。たしかにそういう生徒たちがいるとやりにくいのですが、それをしても、お互いが目指すゴールに行き着かないことを知っているからです。


 そもそも本当にイヤだったら、勝手に脱走する人たちです。初めて、高校生のセミナーを担当したとき、私は、勝手がわからず、「はい!ちょっと!みんな!静かにして!! 聴いて!!」と叫びながらやっていましたが、40人中20人に脱走されました。高校生セミナーの手痛い洗礼を受けました。あれから3年。試行錯誤の末、最近は脱走されることはほとんどなくなりました。


 まじめに聴かない、やる気がない、話している人をなめていると見える生徒を追い出してしまうことは一つの方法です。それで、私は話を聴いてくれる生徒たちだけの前で気持ちよくセミナーができるかもしれません。でも、せっかく来てくれた生徒の可能性を閉じてしまうことになります。厳しく注意をすれば、かえって反発を感じてやる気を失わせる。追い出してしまえば、その生徒が変わっていく可能性をも失う、ということなのです。しばらくは講師側も辛抱です。


 先生から言われて来たのだとしても、今、ここにいることだけで、生徒たちは偉い!のです。「ありがとう」なのです。“よく来てくれたね。ありがとう”この気持ちで関わり続ける。決して見切りをつけたり、レッテルを貼ったりしない。とにかく関わり続ける。そうすると、最後は、全員が今日教えた通りの45度のおじぎをして帰っていきます。すごく上手です。ちゃんとできています。やったらできるのです。“偉い!45度のおじぎ、マスターしたね!”もし、途中で追い出していたら、それすらもできないままだったんです。


 聴いていないようでも、ちゃんと聴いている。考えていないようでも、ちゃんと考えている。見かけだけで、「近頃の若いもんは・・・」と言ってはダメです。もしかしたら、大人の方がものすごく短気なのかもしれません。建設的でないのかもしれません。「本当に相手の可能性を引き出す関わり方とは何なのか?」それを見失ってすぐに自分の基準で見切りをつけようとします。もっと大人は子どもたちの持っている可能性を信じてもいいのではないでしょうか。

85.逆境の中の講演

カテゴリー:日時:2005年07月24日(日)


羊が丘展望台より札幌ドームを望む


 「皆さん、ご心配をおかけしております。昨日も大敗してまいりました」。こんな言葉から、ファイターズの白井一幸ヘッドコーチは講演を始められました。今シーズンが始まって初めてご一緒した機会でした。ファイターズはリーグ5位、借金15、3連敗、最悪の状態でペナントレースの前半戦を終了したところでした。よりにもよってこんな時期に、「コーチングで人を育てる」という話をしなくてはならないなんて、けっこうキツイです。説得力も何もありません。私は、白井ヘッドコーチにお会いするまでは、非常に重たい気持ちでした。


 「皆さん、調子の悪い選手、調子の悪いチームの監督、コーチは、どんな様子だと思いますか?だいたい調子が悪いと背中が丸まる、顔が下を向く、声のトーンが落ちる、行動が消極的、というイメージですよね。私も正直その心境です。しかし、そういう表情でいると、“ああ、たいへんなんだな”と同情はしてくれても誰も期待してくれません。ダメなときほど、指導者がどんな態度でどう声をかけるかが大事なんです。・・・“絶対に勝つ!”選手が皆この気持ちになれたら、結果は必ず出ます。チームは今いい雰囲気になっています。皆が“ヒルマン監督のために”という気持ちで闘っています。後半戦は、必ず巻き返します。期待していてください!」


 白井ヘッドコーチは、今回も全くブレませんでした。凛として語られるお姿に私は胸が熱くなりました。「絶対に勝つ!」。ほとんど絶叫でした。逆境にあってもなお、「成果を出す」というところから降りない固い決意と信念がにじんでいました。私、思わず、涙、でした。“この人はほんまにスゴイ!この精神力”。ただ、感涙でした。


 「昨日(15vs4でロッテに大敗)、試合終了後、ミーティングをしました。それが終わっても選手が帰ろうとしないんです。私が豊平川に飛び込むんじゃないかって心配してるんです。だいじょうぶだから、と言って帰しました。選手に心配されるコーチっていうのもどうかと思うのですが、、、」
選手に心配されるコーチ!私はステキだと思います。「チームは良い雰囲気になっている」。この言葉はどうやら本当のようです。


“この時期があるから、優勝したときに泣けるんです”
「本当にそうなんです。泣けない優勝っていうのもありますからね」
優勝したら一緒に泣こう! 心に固く誓いました。逆境のときにしか聴けない話というのもなかなか貴重なものです。


 優勝した後に一緒に講演会をするときのイメージトレーニングを始めています。


これが白井ヘッドコーチの右手だ!

84.コーチをその気にさせる

カテゴリー:日時:2005年07月19日(火)


札幌は紫陽花の季節:暑くなってきました


 こんなことを言っては、たいへん傲慢に聞こえるかもしれませんが、最近、研修や講演のご依頼をいただくと、「嬉しい!」気持ち半分、「しんどい」気持ち半分です。ああ、ごめんなさい。こんなこと言ってます、私。おかげさまで、ご依頼をいただく分だけで、スケジュールはもういっぱいです。クライアントさんとのコーチング・セッションの日程調整に苦慮するこの頃です。身体もついていくか心配になるときがあります。


 とはいえ、「研修の相談にのってほしい」とお声をかけていただければ、無下に断るのも本意ではありません。“一応お会いして、日程が空いていないということで、今回は丁重にお断りしよう”などと偉そうなことを考えながら出かけます。できればお引き受けしたいのです。でも、しんどいんです。もうパニックなんです。カンベンしてくれ、という気持ちも正直あるんです。そんな状況でお引き受けしてもいい仕事はできない。ああ、でも、こんな私って、・・・。あれこれと錯綜する重たい気持ちで訪問することもあります。


 なのですが、・・・


「私たちにはコーチングが絶っ対に必要なんです!」
「コーチングを学ぶことでもっと会社を良くしていきたいんです!必ず、職場風土が変わると思うんです!」
「ぜひ!石川さんのお話をお聴きしたいと皆言ってます!石川さんのお力が必要なんです!」
“わっかりましたぁ~!納得いくまでやりましょう~。精一杯やらせていただきます~!!”
・・・と言って、手帳をめくっている私がいたりします。


 “この会社なら、コーチングを導入してもきっとうまくいく。この人たちがコーチングを知ったら必ず成功する”
そう思わせる前向きな想いと熱い情熱を持った人には本当にかないません。なんとか時間を捻出する方向で考えてしまいます。時々、こういう人に出会ってしまうと、さっきまでの重たい気持ちはどこかに行ってしまって、“この人のために!”という気持ちになってしまいます。いえ、そんなもんじゃない。“この仕事、ぜひやりたい!”と本気で思っています。コーチをその気にさせるとはスゴイです。その時点で成果はもうこの人の手中にあるように見えます。


 「人を動機付ける、やる気を引き出す」ことを仕事にしている私ですが、あらためて気づかされます。そうだ!本当に人を動かすのは、小手先のテクニックではない。こちらがたじろぐほどの熱い情熱だ。貪欲に求める気持ちだ。必ず成果が出るという強い信念だ。そして、相手に対する厚い信頼だ。


 お客様に教えていただくことは本当に大切なことばかりです。感謝、合掌。

83.「ビビビ!」ときたこと

カテゴリー:日時:2005年07月11日(月)

 先週、無事、『PHPコーチング・カンファレンス』が終わりました。総合司会は、「携帯電話の電源OFFにしてくださ~い」などと言うだけなのですが、意外と神経使います。ステージ裏の暗闇では、なかなか各々の方のお話に集中できず、聞き逃したいいお話がいっぱいあったことは本当に残念です。しかしながら、このような悪条件の中でも、私の耳に届いて、「ビビビ!」ときたことをいくつかご報告させていただきます。


 富士通株式会社の企業内専任コーチの斎藤豊さん(ビジネスコーチ養成講座で同期でした)のお言葉:
「会社にコーチングを導入しようとか、普及しようとか思うのだったら、まず自分がコーチをつけてください。自分自身がコーチングの良さも実感できないで、コーチングは社内に浸透できません。コーチングできるようにはなりません」
そうだ、そうだ!まったくだ! 舞台裏で一人拍手喝采。 「コーチングできるようになりたい」と言ってセミナーを受けまくる人たちは多いけど、コーチをつける人はたしかに少ない。まずは、自分自身でコーチングを体験しないと。


 福助株式会社をわずか1年余りで再建された藤巻幸夫さんのお話:
「企業人である前に人間であれ。役割だけでつきあっていてもうまくいかない。私は、むちゃくちゃコミュニケーションを取ることに力を入れている。お世話になった人には、すぐメールを送る、電話をし、FAXをして、ハガキを送る、電報を送る。とにかくあらゆる手段でコミュニケーションをとりまくる」
おお、スゴイ!このお話を聴いていたPHPのスタッフ鈴木さんが、カンファレンス終了後、間髪入れずに、藤巻さんに電報を送っていた。これまたスゴイ!


 フロアからの質問:「リーダーとしてのポテンシャルがないと思われる人でもリーダーとして育てることができるのか、最近疑問を感じるがどうでしょうか?」
これに対する本間正人コーチのお答え:
「『育てられますか?』と訊かれると『育てられます』と私は答えます。『できるでしょうか?』と訊かれると『できないでしょう』と答えます」
う~ん、すばらしい!明快!共感! その人自身が「できない」と思っていたら、その時点でもう「できない」のだと私も思います。爽快なお答えでした。さすが!


 まだまだ名言はたくさんたくさんあったと思いますが、以上が、今回の私の「感動」でした。

82.この人と話をすると・・・

カテゴリー:日時:2005年07月04日(月)


暑い夏に涼しい写真をどうぞ!:旭岳は雪でした


 「石川さんは、なんでいつもそんなに元気なんですか?」、「人の話をずーっと聴いているのってストレスたまりませんか?どうやってストレス発散しているんですか?」
よく訊かれる質問です。皆さん、一様に不思議そうな顔でお訊きになります。
“だから、私にもコーチがいます!”
「なるほどぉ~」
私が即答すると、一瞬で、皆さん、深く納得してくださいます。


 コーチと言えども、1週間生きている中でいろんなことがあります。いろんな感情がわいてきます。常に「プラス思考!」でいられない時だってもちろんあります。


 “本、書いてるんですけど。なんか不安になるんです。内容、薄いかな~って。もっと構想何年!とかって取材もたくさんして、分厚い本にしないと世の中に出しちゃダメなのかな~、なんて思っちゃうと、止まってしまうんですよね”
「あのさ~、分厚くて難しそうな本って買いたい、って思う?」
“はぁ、・・・そう言われると、そうですよね。まぁ、薄くてもいいとは思うんですけど、それほど特殊な内容かっていうと、ごくありふれたネタだし、そんなに『感動もの~!!』って感じでもないし、って思ってしまって・・・”
「だから、いいんじゃないの? ごくありふれたネタを使って、『これなら、私もやれる!』って思わせるのが石川さんのねらいでしょ。感動するけど私にはできない、っていうようなこと書いてもしょうがないじゃん」
“そうですね!”
「そうそう!薄い本、書こうよ!」
“そうですね!厚けりゃいいってもんじゃないですよね!”
これで、また私のモチベーションが上がります。


 コーチと話した後、いつも、確実に自分が元気になっているのがわかります。コーチに電話をかける前まで、何をウダウダ言っていたのかと思います。『この人と話をすると、確実にやる気になる!』 これがコーチの存在だと私は解釈しています。


 初チャレンジの仕事に臨むときなど、ちょっとした勇気が要ります。そのとき、私はコーチの顔を思い浮かべます。“だいじょうぶ!コーチがついている!”
不安になったり、後悔したりするときもあります。そんなときもコーチの顔を思い浮かべます。
“ま、いっか。今度、コーチに聴いてもらえば”
そう思った瞬間、もう半分以上立ち直れています。


 コーチングはとかく『質問のスキル』ととらえられがちです。
「うまく質問できないので、コーチングは難しい」という声もよくお聴きします。いいんです。変な質問できなくても。あなたと話した後に、相手が確実に元気になっていること。前に向かう行動を起こしていること。これが本来のコーチの役割ではないでしょうか。


 『誰かと話をした後、その人を確実に元気にしていますか?』
いつもこの問いを、私は自分自身に投げかけています。

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