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コーチ石川の感動日記

96.祖母の日記

カテゴリー:日時:2005年10月31日(月)

 早朝、出張先のホテルに訃報の電話は入りました。思いがけない祖母の死でした。先月、敬老の日に、忙しさに取り紛れて、間に合わせでお花を贈ったきりでした。今日まで電話一本入れていなかった自分を悔やみました。「いつまでも元気でいるもの」として生活してしまっていました。「仕事が忙しい」と言いながら、しばらく帰省もしませんでした。


 仕事をキャンセル、延期して、久しぶりに島根の実家に戻りました。やろうと思ったら、いくらでも仕事は動かせるものです。事情を察して、快く日程を変更してくださった皆様に心から感謝です。研修の日程など動かせないものと思っていました。ありがたいの一言です。


 私にとって、祖母は母以上に厳しく、威厳のある存在でした。曲りなりにも、今、私が「年齢のわりには・・・」と評価していただけることがあるとするなら、それは祖母の影響だと思っています。感謝してもし尽くせないものがあります。


 滞りなく祖母を見送った後、祖母の日記を発見しました。几帳面に亡くなる前日まで書かれています。その日まで、祖母がこの家で、何を食べ、誰と会い、何を思って生きてきたのかが映画を観るように再現されました。9月18日:「尚子がお花を贈ってくれた。いつも気にかけてくれて嬉しい」。ちゃんと書いてくれていました。ああ、ごめんなさい。お花なんかより電話を一本入れればよかったのに。泣きながら読みました。


 驚いたことに、祖母は、いつ、誰から、どんないただき物をしたのかを克明に記録し、感謝の言葉を書き連ねていました。手紙をもらったことも、電話をもらったことも含めて、自分に対して向けられた好意の気持ちに対して、心から感謝し、お返しをすることを決して忘れまいとする祖母の習性が手にとるようにうかがえました。


 感謝をして生きること。今、こうして仕事をいただけることも、好きなことをして毎日を送れることも、周囲の多くの方々のおかげ。忙しさに取り紛れて、それを忘れそうになっている私に、祖母はやはり教え諭してくれる存在でした。今「当たり前」と思っていることは本当に当たり前なのでしょうか。「生きている」ということは、ただそれだけで、多くの方々のお世話になっているということ。祖母の日記はそのことをあらためて教えてくれました。

95.コーチは常にモデルでいる

カテゴリー:日時:2005年10月16日(日)


秋の香り~:京都金閣寺道の金木犀


 先日、札幌市内のある企業でコーチング研修をさせていただきました。当日の朝、うかがいますと、会社の前で数名の社員の皆さんがお掃除をなさっていました。おお!今どき珍しい光景です。なかなか奇特なお会社です。


 「おはようございます!」 社員の皆さんが口々に元気よく挨拶をしてくださいます。おお!すばらしい!今どき珍しく(失礼?)覇気のある若者がそろった会社のようです。事務所スペースに通されて、また感嘆!
「いらっしゃいませ!」 そこにいらした全員の方が、立ち上がって元気よく迎えてくださいます。徹底していらっしゃるな~。おお!う、美しい~!さらに、感嘆。皆さんのデスクの上が、とてもきれいです。整理整頓バッチリです。


 社長にお目にかかります。とても謙虚で物腰柔らかい素敵な方です。まったく偉そうではありません。研修会場となる会議室で教材の確認をしながら、皆さんがそろわれるのを待っていました。開始10分前から、皆さんが、「失礼いたします」と元気よくおっしゃって一礼をして会議室に入っていらっしゃいます。気持ちいいな~。できた会社だな~。シート類をより分けている私に、「何かお手伝いいたしましょうか?」。
すばらしっ!この気配り、この物腰!しみじみいい会社だな~。今日は楽しみだな~。私のモチベーションもガゼン高まります。


 そこへ、再び社長のお姿が。「失礼いたします!」。
は? 私はわが目、わが耳を一瞬疑いました。自分の会社の会議室に、丁寧に一礼をして入る社長がどれだけいらっしゃるでしょうか?会議室を出られる時もそうです。「失礼いたします!」 部屋を出たところで向きを変えて、挨拶をして出ていかれます。そうか~、社員の皆さんは社長と同じことをおやりになっているだけなんだ~。


 私は、新入社員研修の中で、「社会人の基本」としていろんなことをお伝えしています。挨拶は自分から元気よく声をかける。自分の管轄外の部屋への入退室時には、「失礼いたします」と会釈をする。階段や廊下でお客様とすれ違ったら、「いらっしゃいませ」と声をかける。席を立つ時は、イスを机の下に納めてから離れる。しばらく席を離れる時は、机上の書類などは片付け、広げたままにしない。書類は両手で受け取る。座っている時、声をかけられたら立ち上がって話を聴く。名前を呼ばれたら、「はい!」と元気よく返事をする。等々・・・
この会社は、これらすべてを、基本に全く忠実に、社長以下全社員が実践なさっている会社でした。


 どれもこれも社会人の基本中の基本です。これらの基本的な態度を身につけさせてほしいとのご依頼で研修をします。「研修受けた後はすごくいいんですけどね、半年もたつと忘れちゃうんですよね~。どうしたら定着化できるのでしょうかね?」 よくいただく質問です。今度、質問されたら、反対に訊いてみようと思っています。


“社長ご自身は、これらすべてをいつも徹底しておやりになっていますか?”

94.コーチングの目的は?

カテゴリー:日時:2005年10月05日(水)


マウイの虹~♪


 コーチング研修をしておりますと、参加者の皆様の反応に何かいつも共通点を感じます。「ティーチング」と「コーチング」の違いから「コーチングとは何か」について、ご説明し始めると、『うん、うん、なるほど。たしかにコーチングって必要!』。だんだん前のめりになってこられます。「傾聴」,「承認」のお話などして、実際に体感していただくと、『やっぱり、聴かないとね~。認めなくちゃね~。うん、うん、大事!』。膝を打って納得してくださいます。そして、最もコーチングらしい「質問」のお話に移ったとたん、急に、皆さんの眉間にシワが寄り始めます。『う~ん、コーチングって難しい・・・』。


 実際、「コーチングを体験してみましょう!」の時間になると、ますます『いや~、難しいです~』。判で押したような反応をされます。1ヵ月後のフォロー研修で、現場での実践結果をお訊きすると、『傾聴はなんとか意識してるんですけど、質問ができないんですよね~。何て質問したらいいのかわからなくなって。コーチングってなかなかできないですよね~』。


 あの~、すみません。コーチングの目的って、「質問すること」だと思ってませんか? 本来のコーチングの目的を今一度、思い出してみませんか? コーチのサポートによって、その人が、目標達成に向かって自発的な行動を起こすこと。コーチとコミュニケーションをとることによって、確実に前進していくこと。などですよね?


 「傾聴」,「承認」だけでやれることは、私はものすごくあると思っています。自分の話を口をはさまず最後まで聴いてくれる人がいる安心感、自分がどんなに失敗しても次は結果を出す人だとして扱ってくれる人がいる信頼感、これだけのものを得られたら、人は前を向いて歩いてみようと思えます。難しいのなら、変な質問をしようとしなくてもいいです。大きなことを成し遂げる人として尊重して向き合う。自分と話した後、相手が確実に前向きになっている。本当に大事なことはこのことです。


 「質問」ができないから、コーチングは難しい、って思わないでください。「質問」のために、「傾聴」、「承認」まで放棄しないでください。10分の面談の中で、自分がいつも8分話しているとしたら、まず3分聴いてみてください。できたら5分聴いてみてください。相手との関係に何か変化が起こります。1ヶ月1回1時間の面談より、毎日5秒のコミュニケーション。こっちの方がずっと相手と信頼関係を築き、相手の自発性を引き出す上では効果的だと私は思っています。


 私にはたくさんのコーチがいます。私のコーチたちはすごいです。話した後、いつも元気になれます。変な質問はしません。私の話を聴いた後で、
「だいじょうぶ!石川さんなら何でもできる!」
この言葉だけで、私をいつも動機付けます。

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