コーチ石川の感動日記

216.教員養成課程に組み込まれているコーチング

今回、一校だけ中学校に訪問しました。

大学生による中学生へのコーチング実践の現場を

見学するためです。

教育学部の学生が、アムステルダム市内の提携先の

小中学校に出向いて、子どもたちにコーチングを

行うというプロジェクトがあります。

小学6年生、あるいは、中学1年生に対して、

大学生が、定期的に1年間コーチングを行うのです。

 

私が見学に行かせてもらったのは、ある私立の中学校。

水曜日の午後でした。

大学生(コーチ役)一人に対して、中学1年生が二人

というグループ構成で、1週間に1回90分間コーチング

を行っているとのことでした。

放課後の時間、三人ずつ、思い思いの場所に座って話を

していました。

この日は、お天気がとてもよかったので、外に出かけて、

コーチングを行っているグループもあるとのことでした。

 

この大学生たちは、将来、学校の先生になる人たちです。

小中学生へのコーチング実践は、教職課程の単位の一つ

になっています。

近い将来、現場に出る人が、現役の中学生の話を定期的

に聴けるということは、どれほどのメリットがあるで

しょうか。

教育書を何冊読むよりも、よほどの学びとコーチング力

が得られると思います。

 

「いまどきの中学生ってこんなことで悩んでいるのか」、

「こういうふうに話を聴いていくと心を開いてくれる

のか」と、肌身に感じることができます。

こういう大学生が教員になったら、現場ですぐにでも、

コーチングを行うことができると思いませんか。

 

また、コーチングを受けている中学生にも、

どれほどのメリットがあるだろうと思うと、

このプロジェクトの価値を感じずにはいられません。

最初は、「なんで、放課後にこんな時間をとらない

といけないの?時間の無駄」と言う子どももいる

そうですが、毎回、大学生が、自分の話を親身に

なって聴いてくれたら、きっと感じるものがある

はずです。

先生でもない、親でもない、自分よりちょっと

お兄さん、お姉さんに、自分の話を聴いてもらい、

相談にのってもらえる時間は、本当に価値ある体験

だと思います。

 

また、小中学生の頃から、自分で考え、解決していく

訓練を受けられるのです。

こういう子どもたちが大人になったら、自然と自分の

子どもにもコーチングを行うことができるでしょう。

 

子どもの頃からコーチングを受ける体験、コーチングを

行う体験ができる環境が、オランダにはすでにありました。

このような環境が日本で実現できたら、どんなに

素晴らしいだろうな〜と思います。

その実現に向かって、私ができることは何だろう?

この日から、私もいろんな試行錯誤を行うことと

なったのです。

 

放課後【大学生と中学生のコーチング】の

様子を見学させてもらいました。

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