コーチ石川の感動日記

47.「反応」ではなく「対応」

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さわやかな函館の冬の朝

 クライアントのKさんがこんな話をしてくれました。他部署のリーダーがKさんのところにいちゃもんをつけに(クレームを言いに)来たそうです。その言い方がまたむちゃくちゃ腹立つ言い方だったそうです。人を見下したような感情的なものの言い方! 以前、Kさんの上司もこの人にはキレたことがあるようです。「あんた!いったい何様のつもりだと思ってんの?!」思わず、Kさんの口から言葉が出そうになったのですが、飲みこんだそうです。えらい!! 相手の言い分を聴いて、今後どうすればそんなことが起こらないのかを考えたそうです。

 しかし、帰宅しても、怒りがおさまらないKさんは、ご主人に延々と愚痴ったそうです。それをちゃんと聴いたご主人もホントえらい! 怒りをぶちまけながら、Kさんは、はたと気がつきます。「まてよ、ああいうものの言い方しかできないあの人はきっと宇宙人なんだ。違う星の人にちがいない。あんな人のために自分がこうしていつまでも気分を害しているなんて、私の時間がもったいない。私にはそんな暇はない。もっとやらなくてはならない重要なことがあるのよ」 そう気付いた瞬間に、気分も晴れ、いつもの前向きなKさんに戻ったそうです。

 『コミュニケーション』というキャッチボールの中で、相手からドッジボールが飛んでくると、「ちょっと!何よ、今のそのボール!」、つい、こちらも負けじと、ボールをぶつけに行ってしまいます。相手がそれに反応して、またボールをぶつけてくるともう建設的なコミュニケーションはできません。いわゆる、『売り言葉に買い言葉』っていうやつです。

 “コーチは「反応」しちゃだめです。「対応」してください”

 私もコーチングを学ぶ中で教わってきたことです。組織の中で共に仕事をしている人たち同士がとるコミュニケーションは、『組織としての成果を出すためのコミュニケーション』であってほしいですよね。目指すゴールは同じなのに、ゴールの手前でドッジボールを繰り返していては前に進めません。

 相手からぶつけられたドッジボールに「反応」しなかったKさん、よく「対応」したと思います。そして、建設的でない愚痴を言っている時間がもったいないと自分で気付いたKさん、その気分の切り替え術はまるで『セルフコントロールの達人』。実にお見事でした! 拍手喝采!!

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