コーチ石川の感動日記

52.コミュニケーションは質より量

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 高校生対象のセミナーで一番気を使うことは、“私は怖い人じゃないんだよ~”ということを、早い段階でいかにアピールするかということです。『先生』という存在は、概して「怖い人」,「注意する人」と見られているようです。そんな緊張した気持ちでセミナーに参加してもらっても期待する効果は得られません。

 まず、セミナーが始まる前から、生徒さんに片っ端から声をかけまくります。“雪でたいへんだったでしょ。どうやって来たの?”、“朝、何時に起きて来たの?眠いよね”、“かわいいキャラクターだね。何て名前なの?”、“あったかそうな靴だねえ。どこで売ってるの?”、“きれいな字だねえ。書道やってるの?”云々・・・。

 最初は、「へ?!」、「はぁ?」、「別にぃ~」。つれない反応も多いです。「この人、ナニモンだ?」とびびっている生徒さんもいます。が、とにかく、全員と決めて声をかけまくります。休憩時間も、しつこく生徒さんの中に入っていきます。“どんな仕事したいかもう考えてんの?”、“チェックテストやってみて、どうだった?あたってた?”、“模擬面接、緊張した?”、“そうだよね。初めては緊張するよね”。

 “私は君たちの味方だよ~”メッセージを投げて投げて投げまくります。午後になると、ぐっと距離が近づいた感じがします。そのうち、向こうから話しかけてくれるようになります。「石川さんは、どこの出身ですか?」、「面接試験ってどんな感じですか?」、「これ、自分で描いたデザイン・・・」。自分の作品を見せに来る生徒さんまで現れます。

 こうなってくると、どんなに斜に構えていると見えても、やる気がないと見えても、どの生徒さんの中にも、素直な気持ち、前向きな想いを発見することができます。“よっしゃ、見つけた!”この宝さがしは、とても楽しく達成感があります。そして、より多く関わっていくことでしか見出せないものなのです。手を抜くとダメです。宝物を見つけられないどころか、セミナーの意義にも気付いてもらえません。

 コミュニケーションは質より量。このことを侮ってはならないと、毎回、生徒の皆さんから教えられます。表面に現れていないたくさんの宝物を発掘する達成感のために、私は、明日も、しつこくしつこくコミュニケーションをとりまくります。

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